ニュースリリース

業界初AIを活用した微生物迅速検査法
「FLOX-AI(フロックスアイ)」7月から本格運用開始

 アサヒ飲料株式会社(本社 東京、社長 米女太一)は、2020年から開発を進めていたAIを活用した独自の微生物迅速検査法「FLOX-AI(フロックスアイ)」の運用試験が成功したため、7月から順次、各工場にて本格運用を開始します。

■微生物迅速検査法「FLOX-AI」とは

 微生物迅速検査法「FLOX-AI」は、蛍光染色法とAI(ディープラーニング画像処理技術)を融合させた当社独自の技術です。蛍光染色法とは、生きている微生物だけに反応する特殊な蛍光試薬で染色し、蛍光検出型装置によって微生物の有無を確認します。通常培養法よりも迅速に検出できますが、乳や果汁を多く含む清涼飲料水を検査した場合、蛍光染色法では微生物とそれ以外の物質を明確に区分することが困難でした。そこで、微生物の蛍光撮影画像をAI(ディープラーニング画像処理)を用いて、両者の形状や色調等の特徴や量の違いを学習させることで、迅速かつ高感度に微生物有無を検出するアルゴリズム(学習済みモデル)の構築を行いました。本検査法は清涼飲料業界全体の微生物検査における課題である「迅速性」「簡便性」「コスト」を解決するものであり、2024年以降に業界全体への水平展開を検討していきます。

■導入効果

 本年1月から先行して導入している群馬工場では、微生物検査に要していた時間が従来と比較して、1-5月は44時間の削減に成功しました。今回導入する岡山工場では7-12月で53時間の削減を見込んでいます。

■今後の運用スケジュール

 群馬工場にて「FLOX-AI」の運用試験を開始し、有効性が確認できたため、7月から岡山工場での運用を開始します。年内を目途に他工場への導入も予定しています。

■参考:アサヒグループにおけるAI技術の導入について

 アサヒグループジャパンは、本年5月から業務効率化や高度化、生活者インサイトの掘り起こしなどを目的としたジェネレーティブAI(以下、生成AI)の本格導入を見据えた『ジェネレーティブAI 「やってTRY」プロジェクト』を推進しています。アサヒグループ各社からの自薦による約100名の社員と共に、生成AI技術の活用についてグループ横断で試行するプロジェクトです。生成AIの試行を通して同技術に関する利活用の知見獲得を目指します。